フリーランス(個人事業主)について検討している方で、自由に働けるメリットがある一方で『経済的な課題や不安定さ』などのデメリットを理由に躊躇っているケースもあるでしょう。
私は2018年から正社員を続けながら副業もはじめて、2022年より開業届を出して本格的なフリーランサーになりました。個人的な経験をもとに、フリーランスになるメリットとデメリットを紹介しますが、本記事のポイントをざっくりまとめると以下の通りです。
- 『経済的に安定しない』ことや『個人での仕事継続』に懸念や不安がある場合、フリーランスにならなくてもいい
- 自由な働き方を希望していたり、副業から段階的な事業展開ができればフリーランスはおすすめ
- 今の正社員の仕事にストレス・負担を感じるなら、フリーランスの方が楽
フリーランス最高! ということでなく、『フリーランスと会社勤めの選択』を説明できればと思います。自分も今後、フリーランスから正社員に戻る可能性もありますからね…
フリーランスの定義
メリット・デメリットについてお話しする前に、フリーランスの定義から紹介します。簡単に言うと、正社員のように一つの企業や団体に所属しておらず、仕事内容・案件に応じて自由に契約をしている方がフリーランスです。
実店舗はないけど、自分のスキルや業務を商品・サービスとして売り出すのがフリーランスですね。
また、フリーランスのほか個人事業主という言い方もしますが、フリーランスが個人単位・業務単位で請け負う働き方で、個人事業主は税務署に開業届を出して事業を行っている人を示します。
開業届を出さなくても、フリーランスとしての活動はできます。自分も正社員+副業の時は開業届を出していませんでした。
フリーランス=業務委託契約が一般的
場所や時間に縛られないフリーランサーが企業から受注する場合、案件ごとの契約をしますが業務委託契約が一般的です。
また、記事やサイト・コーディングなど具体的な成果物・商品がある場合には制作会社への外注時と同じように、案件単位での単価を決めて発注契約をします。
よくあるフリーランサーの職業
フリーランスはIT業界において活躍の場が広く、主に以下のような職業でフリーランサーとして活動できます。
- Webマーケター
- ライター
- デザイナー
- エンジニア
- カメラマン
- 営業
- アフィリエイター
自分はマーケターやライターなどの案件をいただいたり、運営サイトのアフィリエイトなども(少ないですが)収入の一部となります。
上記のような職業や会社では、サイト運営や制作などで外注する機会も多いと思いますが、その外注のリソースで業務委託のフリーランスを活用するケースがありますね。
IT業界では副業OKな会社も増えていることや、リモートワークの普及もありフリーランスでの活動はしやすい情勢かなと思います。
フリーランスのデメリット
フリーランスになった私個人の感想では、『フリーランサーとしての良さは感じたけど、デメリットもそれなりに多い』と言えます。
フリーランスを全面否定するデメリットというより、フリーランスの誤解やあまり認知されていないデメリット的な情報をお伝えします。
フリーランスは稼げない?|収入面の不安定
気になるポイントではやはり、収入面の不安定さがあります。正社員の安定した収入がなくなり、案件の受注・継続がないと経済的な課題が出てくるでしょう。
自分もフリーランスになって、収入は安定していませんね。正社員の時より収入が下がる月もあるので、そういった不安はあります。
税金や保険などの負担が大きい
フリーランスは節税対策が重要だと言われているように、税金面での負担もあります。所得税のほか、ある程度の事業所得があると消費税や個人事業税なども発生します。
健康保険や年金の支払いも、会社と支払い折半になる社会保険から国民健康保険に切り替えると負担額が高くなります。
よくフリーランス・業務委託向けの案件で、エンジニアの単価が月50〜100万円と高く設定されていますが、税金や保険などを加味すると手取りはそこまで高くなりませんね。
また、2023年10月から本格化するインボイス制度(適格請求書保存方式)もあり、フリーランスにとって消費税の納税義務が生じるケースが多発しそうですので、向かい風な状況でもあります。。
ただ、裏ワザと言ったらあれですが…フリーランス向けの社会保険でコストを抑える対策もあります。機会があれば、別記事で紹介したいと思います〜
仕事内容によってはスキルアップにつながらない
よく、フリーランサーはスキルアップの手段と言われることもありますが、個人的には仕事・案件の選び方によってはロースキルで苦労するケースも充分あると感じます。
- 低単価のライティングやコーディング
- 頭を使わないマンパワー的な作業
- 責任をあまり取らなくてもいいポジション
など、業務委託やフリーランス向けの仕事全てに該当する訳ではないですが、時間のかかる単調作業などを外注化する傾向にあるため、あまりスキルアップが望めない案件もありますね。
特に駆け出しのエンジニアでよくある失敗例が、業務経験があまりないままフリーランスになって、ロースキルなため単価も低く仕事も見つけづらい…といったことも考えられます。
ただ、私も正直ロースキル側の人材ですが、仕事の見つけ方や経験の積み方によっては、需要のあるポジションにも進めますので工夫次第かと思います〜
フリーランスは社会的に信用されていない
賃貸契約やクレジットカードの申請などで、改めて正社員であることの有り難みを感じる方も中にはいるでしょう。
賃貸契約のほか、家やマンションのローンの審査もフリーランサーは通りづらいとされています。収入面が安定していないことから、社会的信用が低くなります。
そのため、正社員であることのメリットも考慮した上で、フリーランスになる前にクレジットカードを申請したり引越しするなど、対策するといいですね。
フリーランスのデメリットから考えるフリーランサーに向いていない人
気になる部分もあるので、会社勤め・正社員として続けて行った方が良い人は、無理にフリーランスになる必要はないです〜
- 今の仕事・会社への不満が少ない(収入や待遇に満足)
- フリーランスの道を選ばなくても、転職によるキャリアアップが見込める
- 家族のことを考慮して、安定した収入を得たい
- 会社やチームとしての活動や成果にやりがいを感じる
などの希望がある方は、正社員の働き方が適切でしょう。フリーランスになってみて、改めて感じた正社員の強みも色々ありました。
それでも私がフリーランスを選んだ理由・メリットは?
ただ、私の場合は収入が全く見込めない事態に陥らない限り、今後はフリーランスとして働き続けます。自分としては、以下のメリットがとても大きく感じます。
フリーランスは自分で業務量や仕事場所を調整できる
正社員でこれまで働いていましたが、よくあったのが業務過多の状況です。業界的な傾向もあるかもしれませんが、需要のなる事業や職種である反面、求められる成果も大きく残業が多々ありました。
直近の正社員では、全然業務が追いつかず作業量の調整打診をしても改善されなかったので、土日も働きました。多い時は月80時間ほど残業しておりました。。
東証プライムにも上場している大きな会社でしたが、労働環境は悪く、責任も重く…リモートワーク環境で相談もあまりできず(上長に相談しても、逆に仕事が増えるばかりでしたが)、業務負担とストレスが増える日々を送っていました。
正社員の仕事を辞めた経緯も記事やYouTubeチャンネルでまた説明できればと思いますが、私は正直、正社員には向いていない人間だと言えます。なので、会社が悪いよりもその会社に正社員として適応できなかった私の責任も感じています。
シンプルに言うと、業務を簡単に断れない性格だからどんどん業務量が増えていったことが原因だと思います。反面、フリーランスでは自分の匙加減で日単位・週単位の業務量を調整できますので、今の私にとって相当助かっています。
また、業務委託の仕事はリモートが多く、場所に縛られない働き方もできるでしょう。本記事の執筆時はまだ移住できていませんが、自分も今年中には福岡への引っ越し・移住をする予定です。
副業で得られるスキルや経験をもっと伸ばしたいから
いきなりフリーランスになるのではなく、副業として受けていた案件にもっと力を入れていく流れの方が収入面でも安心しますし、今後どういった仕事やスキルを取りたいか方向性も決まります。
私の場合、副業でのSEOコンサルティング・記事制作案件で長期的にお世話になっている事業者様がいたり、TabiTimesやその他メディア運営からの収入に力を入れたい考えもあり、フリーランサーとしての活動がフィットしました。
人間関係の面倒くささ・手間が減る
正社員で働いていた時の自分は、社内の人間関係が面倒に思いました。
- 社内政治への気遣いに疲れる
- 能力の低い上長への交渉がめんどい
- まともな話が通じない社員とコミュニケーションしたくない
などなど、会社で働いている中での不満を感じる方が大半だと私は思っています。
対して、フリーランスは基本個人での仕事で、客先でのコミュニケーションくらいになります。社内の人間関係にストレスを感じる方は、フリーランスになれば即座に解消されます。
会社に依存しない働き方=フリーランスの魅力
ネガティブなことを話しましたが、フリーランスは自分の人生にとって幅広い選択肢や助けを与えてくれるポジションだと思います。
- 1日8時間・週5日も仕事をするのが辛い
- 満員電車に乗って、好きでもない社員と一緒に働くのがストレス
- もっと自由な働き方・生活をしたい
などの希望が強いのであれば、フリーランスでポジティブな働き方を選べるでしょう。
でも、案件がなくなったらまた正社員の仕事を探すんですよね。
おっしゃる通りで。
まあ、死ぬ訳じゃないから柔軟な選択肢があるのは良いことだと思う〜
仮にフリーランスを続けていて上手くいかなくても、正社員で働きすぎて精神的に壊れてしまうよりは全然良いことです。
会社に依存しない働き方では収入面の不安もありますが、逆にいえば正社員以外のところから案件を獲得して稼ぐ経験をすれば、『会社を辞めても何とかなるのでは?』という安心感が生まれます。
いきなりフリーランスを目指すより、本業以外の働き方・収入を検討するところから始めると、今後のキャリアにおいて選択肢が増えるのではないでしょうか。
余談ですが、フリーランスのメリットを活かした理想的・かつ個人的に思う働き方
フリーランスのデメリットで『フリーランスは稼げない?|収入面の不安定』を紹介しましたが、正確に説明するとスキルや行動力、準備があれば正社員より稼げるチャンスは全然あります。
会社に所属する正社員だと、外資系でない限り給料の上がり幅にも限界があります。一方でフリーランスだと高額案件を取ったり、YouTube広告やアフィリエイト広告からの収入、商品やサービスの展開など様々な手法を使って稼げる可能性はあります。
今流行りのセミリタイアを狙うのであれば、
- メディアやSNS、広告など幅広い媒体を使ったアフィリエイト収入
- YouTuberとしての活動・広告収入
- 物販などの起業
- 資産運用
などが選択肢になるかなと思います。ただ、こういったビジネス系は調べると情報商材の売り付けなども多く、適切な戦略判断が難しいところですが…
私はTabiTimesのブログとYouTubeチャンネルで、旅行レビューを紹介しつつ生計を立てるスタイルが理想です。これからも数十年、正社員は続けられそうになくメンブレ〜
確かに理想ですね。自分たちのしたいことがビジネスになれば、フリーランスとして有意義に暮らせそうです。
当サイトは海外旅行やライフスタイルなどを中心に紹介している個人ブログですが、将来的には大きな影響力のあるメディアに育てていければと思います!