福岡の移住は年々増えており、利便性の高さなど移住先としての人気が高いですが、県や市からの補助金や支援制度が気になる方も多いのではないでしょうか。
実際、福岡県へ移住することで、移住支援金や住宅取得に対する補助金などの支援制度があります。知っておくと補助金・支援金で経済的な負担が緩和される人もいますので、確認しておくといいでしょう。
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福岡県(福岡市)の概要・街の特徴
はじめに、福岡県についての特徴や移住する魅力などをご紹介します。
自分も2022年に東京から福岡へ移住する予定で、この記事を書いている時には物件を探していました。
福岡県・福岡市の人口について
Fukuoka Data Webによるデータを参考にしますと、2022年5月時点の人口と世帯数を以下の通りです。
- 福岡県の人口:5,112,399人
- 福岡県の世帯数:2,356,551世帯
福岡県全体では人口減少の傾向にありますが、単身世帯の数が増えていることもあり世帯数は上昇しています。
また、福岡市公式HPを確認すると、2022年8月1日時点の福岡市人口は1,629,837人で、前月比でも増加しています。福岡県全体と比較して、3割以上の住民が福岡市内にいる計算となりますね。
福岡市の特徴:コンパクトシティによる住みやすさ
以下記事でも紹介していますが、自分は福岡市の利便性や住みやすさに注目して、移住を決めました。
福岡県内の移住先では複数選択肢がありますが、特に福岡市内における利便性の高さなどが魅力的です。
- 都心のアクセスが良好で、東京と比べても家賃が2/3と安い
- 地下鉄ですぐ福岡空港へ行ける
- 食べ物が美味しく、福岡県をはじめ九州エリアの新鮮な果物や野菜、海鮮など食べられる
などなど、東京での家賃の高さ(部屋の狭さ)でリモートワークに不自由があった自分にとって、福岡市は移住先に相応しい条件が整っていました。
実際、地方移住の希望地域ランキング(ITmedia)によると、福岡県は静岡県に次いで2位と人気があり、コンパクトシティである福岡市のほか、自然も豊富な糸島市などへの移住者が増えていますね。
福岡への移住で使える補助金・支援制度まとめ
移住先で注目されている福岡県ですが、ふと『移住の際に申請できる補助金や支援制度ってあるのかな?』と思い、調べてみました。
移住支援金制度(テレワーク支援金)
補助金の種類の一つで、移住支援金という制度があります。詳しくは以下でも解説しますが、東京23区など都市エリアから地方の移住で、最大100万円(単身世帯の場合は最大60万円)が支給されます。
申請条件では当初、テレワーク(リモートワーク)での就業継続では認められていませんでしたが、在宅勤務の浸透により2021年度からはテレワークでも申請可能となっております。
起業支援金
加えて、地域創生を目的に起業などを行う人は起業支援金という制度も利用できます。地域産品に関する飲食店やまちづくりの促進で貢献できるビジネスモデルなど、地域の活性化を目指した事業で会社を立ち上げると最大200万円が支給されます。
この移住支援金と起業支援金は両方申請できますので、地方での起業・ベンチャー企業の立ち上げをする方であれば、合計で300万円もらえるケースもあるでしょう。
また、I情報技術などIT関連の事業を立ち上げた場合には、最大で300万円の支援金がもらえます。これもテレワーク支援金と同様、2021度から追加された制度で地方のIT起業を活発化される目的があるでしょう。
空き家バンク制度・住宅購入支援など
地方移住では引っ越しや賃貸・家の購入費用などもネックになりますが、空き家バンク制度を利用することで負担が軽減されます。
市区町村によってルールなどの制度詳細は異なりますが、例えば福岡県八女市の空き家バンク制度では、空き家の売買・賃貸などの情報提供を行うほか、上限50万円で空き家の改修費用・家財撤去費用などの一部補助があります。
他にも住宅購入をしたいファミリー向けの制度もあり、福岡県久留米市では『くるめ暮らし・移住ファミリー支援事業補助金』で、市外からの転入で住宅を購入した際には最大30万円の補助金が交付されます。
福岡への移住で最大100万円の移住支援金がもらえる
様々な補助金・申請制度がありますが、最も一般的な(申請対象者が比較的多い)移住支援金について、福岡移住の際に対象者になるかどうか確認しておくといいでしょう。
▷参考:福岡県公式ホームページより
福岡への移住対象者|三大都市圏
福岡県での移住支援金をもらうには、以下のエリアからの移住が条件です。都市圏からの移住となるため、地方からでは残念ながら支援金がもらえないようです。
- 東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)
- 名古屋圏(岐阜県、愛知県、三重県)
- 大阪圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)
※細かい説明すると、住民票を移す直前の10年間のうち通算5年以上在住していることも条件となります。
就業・起業に関する条件(移住元でのテレワーク業務も対象)
福岡移住で支援金をもらうには、就業などに関する条件も満たす必要があります。
- 福岡県が運営する『福岡県移住・就業マッチングサイト』に掲載された法人に就職
※申請時に連続して3ヶ月以上在職するなどの条件もあり - プロフェッショナル人材事業、または先導的人材マッチング事業を活用して就業
- テレワークに関する要件で、所属先企業等からの命令ではなく自己の意思により移住したこと
注意点として転職の場合には、転職サイトやエージェントなどを使って探すのではなく、福岡県の方で運営しているマッチングサイトに掲載されている対象の求人(企業)限定となります。また、福岡県では移住支援金の条件の一つでテレワークもOKなので、在籍している企業の許可を得られれば在宅勤務の継続で支援金をもらえますね。
企業の場合には、『福岡よかとこ起業支援金』の交付決定を受けていることが条件となります。また、就業と起業では以下図のように申請の流れが異なります。
▷引用元:福岡県 移住・就業マッチングサイト
福岡県内に住所を移してから、決められた期間を経て申請をすることになります。移住後1年以内(起業の場合は起業支援金の交付決定を受けてから1年以内)に申請をします。
福岡県の移住支援金額
福岡県の移住支援金の額は以下の通りです。お子さんのいるご家族は、より多くの支援金をもらえますね。
- 単身での移住:60万円
- 世帯での移住:100万円(子供1人につき30万円追加)
100万円ほどの支援金があれば、賃貸の初期費用や引っ越し費用くらいは一通り賄えそうです。また、単身でも金額は下がりますが60万円もらえますので、普段からリモートワークで仕事をしている方は福岡など地方移住を検討してみる良い機会になるでしょう。
移住支援金にはデメリットも|申請対象者が限定されている
福岡県の移住支援金制度を知った時は、『普段から在宅勤務をしている自分なら申請できそうかな』と最初は思ったのですが…詳細を確認すると、デメリットな部分も分かり自分は支援金の対象外だと判断しました。
簡単に言うと、福岡市内の移住では移住対象エリアにならず、さらには個人事業主の申請が難しいという理由で自分はダメみたいです。。
フリーランス・個人事業主の申請は難しそう
テレワークに関する要件があったので在宅勤務の個人事業主でも申請通るかな?と思ったのですが、実際とのこと難しそうです。SNSでも以下のような口コミがありました。
移住支援金の申請が、フリーランスだと前例がないと言われしぶられている。
だから?って感じなのだが、初の事例はいつ作られるのか。
一見さんお断りの店みたいなパラドックス。— narita (@TakeruNarita) March 7, 2022
移住支援金申請しようとしたら、通年5年間東京都23区に通ってないといけないという条件があって、業務委託契約で5年間渋谷区に勤務していたと言ったら、正社員じゃないともらえないらしい…24歳でそもそも通年5年間とか厳しすぎでは?若者、フリーランスに優しくない社会、、、
— Wayan |ironowa LLC. (@y_52_wayan) July 19, 2022
福岡県の公式ホームページより移住支援金の詳細をご確認いただけますが、テレワークに関する要件で『移住元での業務を引き続き行うこと』について、移住元での業務に個人事業主・フリーランスは含まれないのかな?といった感じです。
ただ、個人事業主やフリーランサーが100%ダメという訳でなく、福岡県のホームページには個人事業主に関する扱いの記載はありませんでしたが、高知県のホームページには個人事業主に関する申請書類の事項がありました。
東京23区以外の東京圏から東京23区に通勤していた法人経営者又は個人事業主の場合
移住前の勤務地を確認できる書類(開業届出済証明書等)
移住前の勤務地での勤務期間を確認できる書類(個人事業等の納税証明書等)
申請条件は都道府県にとって差異がありそうなので、個別で確認するのが良さそうですね。
福岡市の移住では支援金対象にならない
それと(致命的なデメリットと言ったらあれですが)福岡への移住では支援金をもらえても、市区町村によって移住対象・対象外があるようです。
2022年5月13日現在、福岡県で移住支援金の申請対象となる地域は以下の通りで、なんと福岡市は入ってないんですよね。。
移住支援はあくまで地方創生・活性化を目的としたもので、支援がなくても人口増加して栄えている福岡市内では、移住支援金は不要という判断だと思われます。移住先で人気のある糸島市も対象外ですね。
自分は車を持っていないことなどから、交通の利便性が高い福岡市内への移住で考えていましたので、ここで諦めました😅
申請条件を満たさず給付された場合には返還する必要も
また、仮に申請が通っても以下の場合には移住支援金を返還する必要があります。ざっくり言うと、移住支援金を受給した市町村より3年未満で転出すると全額返還、5年未満の転出でも半額返還します。
- 虚偽の申請について判明
- 3年未満に移住支援金を受給した市町村から転出
- 3年以内に移住支援金の要件を満たす職・仕事を辞める
- 起業支援事業に関する交付決定の取り消し
- 3年以上5年以内に移住支援金を受給した市町村から転出
移住して終わりでなく定着することが目的なので、期間も設けられています。
まとめ|自分は移住支援金を申請しませんが対象者であればおすすめ
以上の内容から、福岡県への移住において自分は残念ながら移住支援金の申請ができませんでした。福岡市は移住支援金のほか空き家バンクなどの支援制度がないため仕方ないことですが、以下のような方であれば検討する余地はあります。
- 福岡市でなくもっと田舎の地域で暮らしたい
- 子供もいるご家族で、空き家をリフォームするところからスタートしたい
- 短期間の暮らしでなく、終の住処としても適切な移住を目的としている
移住先の準備とあわせて、ご自身が移住支援金を申請できそうか前もって確認しておくといいでしょう。
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