転職をしたいけど、本当に今の会社を辞めるべきかどうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
転職することで解決される問題もありますが、一方で今の職場環境よりも悪くなってしまうリスクもあります。
- 給料が安いから転職したい。でも、転職で待遇が悪くなったらどうしよう…
- 今の職場の人間関係が悪いけど、他の会社も同じような感じだろうか
- 今辞めたら貯金もないし、経済的にしんどい
など、転職することへの懸念が大きい場合、無理に今の会社を辞める必要はありません。すぐに転職を考えるのではなく、他の方法も知っておくといいでしょう。
コロナ禍の影響もあり転職率は増加している
転職で迷っている方は多いように、転職率も増加傾向にあります。マイナビによる調査では、2021年の正社員転職率は過去6年間で最も高いですね。
▷引用元:マイナビ 転職動向調査2022年版
特に20代の転職者が10%以上と高く、在宅勤務・リモートワーク主体になってから転職活動がしやすい環境が一因だとされています。
今までは仕事をしながらの転職活動は大変だった
過去の転職率が比較的低い理由として、在職中の転職であまり時間を取れないケースがあるでしょう。
私も在職中の転職活動経験はありますが、リモートでなく普通に出勤していたので、日中は時間が取れなく、退社してから夜遅い時間に面談をして、家に帰ってから書類など準備をして…といった感じで、仕事をしながらの転職は大きな負担がかかります。
特に残業の多い職場や業界はなおさらで、転職という選択肢が考えられないほど忙しいこともあるでしょう。
リモートワークでの転職活動自体はしやすい
一方で、普段の業務をリモートワークで対応している方であれば、転職活動はかなりしやすくなっています。(本当は良くありませんが)日中に転職サイトで求人を探したり、応募先と連絡したり、オンラインがOKであれば、隙間時間で面接を受けることも可能です。
そのため、2021年以降ではリモートワークによる時間の確保で、転職に関する意欲や意識が高くなったと言えるでしょう。
転職するかどうか迷った時に考えるポイント
ただ、転職する時間やチャンスがあっても『せっかく入社して大手を辞めることの不安』や『正社員としての待遇の良さ』など、今の環境が変わることのリスクを恐れて転職を迷う方が多いですね。
実際、転職するかどうか迷う時になったら、正しい判断かどうか客観的に確認できるといいでしょう。以下で、転職検討時の確認ポイントをまとめました。
転職したい理由は何か?
中途採用の転職において、自分の転職軸を明確にするのが第一です。
転職面接でも一貫性が求められて、『よりやりがいのある仕事を求めているのに、人間関係が嫌で転職をした』とか『別の職種へチャレンジしたいけど、年収を上げたい』など、転職する動機から実現したいことへのストーリーがブレていると、不採用になる可能性が高いですね。
まずは、自分がどのような理由で転職を考えるようになったか、改めて見直してみるといいでしょう。人間関係や別の仕事をしたい希望、年収を上げたい、リモートワークをしたいなど様々あります。
転職先に何を求めるか?(転職の優先度)
転職エージェントの利用でも重要なポイントですが、転職先に求めていることの明確化も重要です。
私個人の例ですが、転職先に求めていたことの優先度は以下の通りです。
- 職種(Webマーケのやりたい仕事ができるかどうか)
- 一緒に働く人のマインド(同じ方向を向いて働けるかどうか)
- 働く場所(リモート可能かどうか)
- 年収(現状維持、少し上がれば問題ないレベル)
- 福利厚生(あまり気にしないレベル)
これだけは譲れないというポイントを確認した上で、転職先で叶えたいこと・キャリアビジョンを想定するといいでしょう。
流れとして、転職を考え始めた動機(理由)→転職先で求めていること(志望動機)→転職先で目標としていること(アピールポイント)といった流れで説明できると、採用選考でも必要としている人材かどうか見極めがしやすくなりますね。
転職に対しての課題・壁は何か?
ここまでの転職ビジョンを考えた上で、何を理由に今の会社を辞めることが難しいか振り返ることも大事です。
- 今の会社もそこまで待遇が悪くないから、後悔してしまうかも
- 30代だから転職活動を続けても決まらなさそう
- 経済的な不安があり、今の年収から下がったらきつい
- そもそも自分は正社員の働き方に合ってないから、転職してもすぐ辞めそう
など、自分にとっての課題や迷っている理由を明確にしましょう。
転職に迷うけどやめたほうがよい人の特徴
以上の検討ポイントから、やっぱり転職はやめた方がいいと判断できる人の特徴をまとめてみました。
今の会社に未練がある場合
『やはり辞めなければよかった…と後悔しそう』と感じている場合、今の会社についてそこまで悪い環境でないと言えます。未練があれば、給料が多かったり残業がない、または人間関係は良好といった、仕事を続けられる余地があるということです。
今辞めても全然後悔することはなく、同期や上司・部下への迷惑も全く気にしないということだったら、会社への未練も愛着もなく、転職がポジティブな選択になると判断できます。
『逃げ』の転職になってしまい次の職場で明確な目標がない
上記で紹介した転職理由の確認・転職する動機から実現したいことへのストーリーについて、考えてみたけど『自分が転職先で何をしたいのかよく分からない』という場合は危険な転職になります。
- 営業が自分に向いていないから、とりあえず事務職を目指す
- 残業時間が多いから辞めたい
- 今の仕事が合っていないから転職したい
といったシンプルな思考だけでは転職は上手くいかず、ネガティブな要因で逃げるような退職はあまり好ましくありません。
自分も前職は残業の多さや精神的ストレスもあって退職しましたが、フリーランスでの活動目標や準備ができていたので、そこそこ満足できる仕事を今できております。
- 営業が自分に向いていない→なぜ向いていないのか? 楽な仕事でいいのか?
- 残業時間が多い→なぜ多いのか? 社内調整の打診はできないか?
- 今の仕事に合っていない→なぜ合っていないのか? ではどういった仕事をしたいのか?
など、すぐ転職に走るマインドでなく考えに至った思考を掘り下げると、客観的な判断ができます。
転職やキャリアップに対する準備不足
転職するかどうか迷うケースで、やめた方がよい人の傾向として準備不足も多いですね。
参考として、私が好きな作家(転職特化ブロガー)である安斎響市さんのツイートも引用いたしました。
経済産業省の人材に関するレポート、なんだか闇が深い。日本人は約半数が「現在の勤務先で働き続けるつもりはない」と考えているのに、ほとんどの人は「転職」も「起業」も考えておらず、それどころか、特に何の努力もしてない人が結構多い。
みんな、人生捨てとるんか??https://t.co/weNvgtxw77 pic.twitter.com/BChw0m3NOr
— 安斎 響市 @転職デビル (@AnzaiKyo1) July 5, 2022
このように、今の会社への不満はあるものの日本人は世界的に社外学習や自己啓発を行っていない人の割合が極めて高いといった調整結果を出しております。
転職のほか副業などキャリアアップでも言えることですが『考えている』ことは誰にもできる一方、『準備している』ことのハードルは高く感じるのではないでしょうか。
- 周りが転職や副業を始めているから、なんとなく自分もしてみたいけど始めていない
- 今の職場への愚痴や不満を言いつつ、かれこれ3年以上勤務している
- 資格勉強が大事なのはわかっていても、残業や趣味の時間で準備できていない
などの特徴に合致している人は、転職するかどうか迷っているのではなく、『転職はしたいけど、本気になって転職をするつもりはない』という人なのです。
仕事への面白さ・楽しさをあまり考えない人
また、仕事への面白さ・やりがいを考えないのもリスクが高いと思われます。仕事=高待遇・高年収といった軸も大事ですが、自分の生活の質を上げるためには仕事への興味や楽しさも重要です。
もちろん、仕事の面白さとは「業務内容」だけではないので、「優秀な同僚からの刺激」「先進的なオフィス環境」「ブランド企業で働く醍醐味」など自分が満足できるなら何でもいいんだけど、少なくとも「この仕事はクソだ」と思いながら働く人は、いくらプライベートが充実してても幸せではないと思う。
— 安斎 響市 @転職デビル (@AnzaiKyo1) July 1, 2022
こちらも安斎さんのツイートを参考にしていますが、仕事の面白さは一緒に働く人の影響やオフィス環境なども関わってきます。そして、『仕事が面白くなければ人生の大部分が面白く無くなってしまう』という見解の通り、仕事の満足度・幸福度は人生にも大きな影響を与えます。
転職に迷う時は転職以外の対処法も検討
転職に関するリスクややめた方がよい人の傾向をまとめましたが、そもそも転職や退職など狭めた選択肢にするのではなく、他の対処法も視野に入れるのがいいですね。
悩みや困り事を社内でしっかり相談する
転職が解決の全てでなく、部署内の担当変更・人事異動など社内で解決できそうなところを提案してみるのも手ですね。
こういった提案をすると『うちのブラック企業は誰にも聞いてもらえないから無駄』とか『社内は敵ばかりで解決できない』と反論する方もいるかもしれませんが、『本気で』相談をしていないという原因もあるのでないでしょうか。
- タスクごとで工数を割り出して、残業時間が多い原因を明確化する
- 残業時間が減ることに関して、自分だけでなく会社側のメリットも提示する(より生産性のある業務に従事できるとか)
- 人間関係が悪いなら、部署の変更を要求する(パワハラやセクハラなどあった場合には証拠も人事に共有する)
など、相談事に関しては自分の主観で語るだけでなく、会社としてどうあるべきか・業務改善で有益かどうか判断してもらうまでやってみてはいかがでしょうか。
自分は工数提示や残業時間の多い理由と解決方法、それによる会社としてのメリットを上司に伝えて相談したら、担当外の業務まで追加されたのでクソだと思いました。
積極的に相談して解決されたら良いですし、それでもダメだったら完全に転職・退職を決断する流れでいいでしょう。私個人は、改めてこの会社に居るべきでないという結論に至ったことが一つの成果だと感じました。。
休職して自分のために時間を使う
すぐ辞めるのでなく休職で自分の時間をもらうのも対策の一つですね。
私も一ヶ月くらい休職して、海外旅行へ行きたい〜
休職したら会社に居づらくなるからなかなか休職できない人もいますが、復帰後に居づらい職場=辞めていい会社という判断ができると思います。
要は、必死に会社で働いて倒れるくらいであれば、一度休職してブランクを空けて落ち着いてみましょうという話でした。会社を続ける or 退職するだけが選択肢ではありません。
海外旅行や留学が少しずつしやすくなってから、2~3ヶ月ほどの休職で海外短期留学をする人も今後増えそうですね。休職こそ、まとまった時間での自己啓発・学習ができるチャンスです。
ただ、休職中のルールは会社によって異なるため、社内規定など確認しておくといいでしょう。
転職するかどうか悩んで結局辞めたけどメリットも大きい(実体験)
転職回避するポイント中心の解説でしたが、仕事への不満や悩み=転職で解決とすぐ決めるのではなく、退職や転職の明確な軸やストーリーを検討した上で、自分にとってプラスになるかどうか判断してみてはいかがでしょうか。
ただ、個人的な転職反対派・3年勤めろ派でなく、むしろチャンスがあれば積極的なキャリアチェンジを推奨しています。転職の目的や副業からの準備をすることで、よりやりがいのある職務経験ができたり、今現在のようなフリーランスの働き方も実現できました。
自分のスキル・職務経験に対してどんな仕事ができるか求人チェック
転職について準備不足の方が多く、キャリアアップに向けた対策や求人の傾向・需要確認をしておくことで、時間はかかりますが自分の希望が叶う働き方は可能となります。
転職サイトでの求人確認をしておくことで、自分の職務経験がどれほど通用するか分かるほか、転職エージェントへ一度相談してみるのもいいですね。本格的な転職活動を考えていなくても、エージェントからアドバイスをもられるほか、今すぐの転職をやめた方が良いなど客観的な判断ができます。
正社員向けの転職サイトや、ハイクラスを狙える転職エージェントのほか、私のようにフリーランス中心の案件紹介をしてもらうサイトもあります。
転職の目的や軸が明確になった段階で、転職サイト・エージェントを活用するといいでしょう!