パスポートを新しく発行する際、申込書に自分の署名(サイン)を書く欄がありますが、『海外で使うから名前をローマ字で書いた方がいいのでは?』と感じる人もいますよね。
結論から言うと、パスポートの署名はローマ字と漢字(日本語)、どちらでも認められます。日本ではやはり漢字でサインする方が多いですが、ローマ字で署名するメリットもあるようなので、パスポートの申込書に記載する署名のルールとあわせて確認していきましょう。
自分はパスポートの署名、漢字で書きました。漢字とローマ字、多少のメリットや懸念点の違いはありますが基本的ではどちらでも大丈夫です。
パスポートの申請書に署名(サイン)をする必要があります
パスポートを発行する際に提出する申請書には、以下画像のように『所持人自署』という欄があります。ここの署名では、申請者本人が原則書くことになります。
基本的には、所持人自署欄にある点線より上の枠内で自分の名前を書けばOKですが、パスポートを発行する人がサインできない場合において、特例が認められています。
赤ちゃんのパスポート発行では法定代理人(親権者)の代理署名が可能
パスポート申請者が署名できないケースでは、赤ちゃん(乳幼児)のパスポート発行がよくあるでしょう。0歳児の赤ちゃんでも海外へ行く際にはパスポートが必要なため、御家族での海外旅行では親がパスポート発行の手続きを代理で行います。
赤ちゃんのパスポート申請における署名では、所持人自署欄にある点線より上の枠内に赤ちゃんの名前をサインして、点線より下の空白へ法定代理人である親の名前と申請者との関係(父、母など)を書くことが決められております。
こちらのサイン例のように、親権のある母親(または父親)などの法定代理人が代理署名をします。申請者である赤ちゃんの名前、および代理人である母親や父親などの名前は以下でも解説していますが、漢字のほかローマ字・ひらがなのほか省略したサインも認められます。
- 高輪 彩葉(母)代筆
- 高輪 宗一郎(父)代筆
- 大崎 朔太郎(後見人)代筆
- by Takanawa Iroha(Mother)
- by Takanawa Soichiro(Father)
- by S.Osaki(Guardian)
漢字とローマ字、どちらでも問題ないですが『代筆(by)』や申請者である赤ちゃんとの関係について忘れずに書いておきましょう。
そのほか署名・サインが困難な場合は?
赤ちゃん以外にも身体の障害などを理由に、申請書への署名・サインができないケースも考えられます。
その際は、事前に県の窓口へ連絡・ご相談することが推奨されます。お近くの旅券窓口・事務所に相談することで解決できますのでご安心ください。
申請者で書いたサインはそのままパスポートへ転写
申請書で記載したサインは、そのままパスポートへと転写されます。パスポートを開いて最初のページにて、所持人自署という欄に表記されています。
パスポートには申請書の署名がまんま写っているので、申請書では綺麗にサインをした方がいいですね。
私はいつも通り雑に書いてしまったので、割と後悔しています🤮
パスポートの署名・サインは漢字でもローマ字でもOK【記入例も紹介】
パスポートに転写される署名については冒頭でもお伝えした通り、漢字とローマ字の両方で認められます。
自筆サインでは必ずフルネームを入れるという規定もないため、例えば『世田谷 太郎』という人名の場合、
- 世田谷 太郎(漢字)
- Setagaya Taro(ローマ字)
- せたがや たろう(ひらがな)
- セタガヤ タロウ(カタカナ)
- S. TARO(一部省略)
どのような形でも本人によるサインであれば、問題ありません。いかにもサインという感じな筆記体でも認められますが、読みやすさという観点から筆記体が推奨されます。
ローマ字で署名するメリット|クレジットカードでの支払いが確実
パスポートの署名をローマ字にしておくと、海外でのクレジットカード払いで多少安心できます。
というのも、海外ではクレジットカード決済をする際に身分証としてパスポートの提示も求められる場合があり、パスポートの署名が漢字だと『クレジットカード所有者と違う』と思われ、支払いが拒否されてしまうケースもあるからです。
絶対に拒否されるという訳でもありませんが、海外旅行でクレジットカードを頻繁に使う場合には念のためクレジットカードの署名とあわせてローマ字にしておくといいでしょう。
漢字で署名するメリット|中国など漢字を使う国では認識してもらいやすい
上記の身分証提示のケースと関連しますが、逆に漢字を多用する中国では認識してもらいやすいので、中国への渡航が多い場合では漢字での署名がいいかもしれませんね。
また、航空券に自分の名前が漢字で表記されている場合、本人確認がスムーズになります。パスポートには自分のサインだけでなく、名前と名字のローマ字が載っている欄もあるため、漢字で署名をしておけばパスポートでの本人確認が確実になります。
漢字での署名が難しい小学生・子供はひらがなでOK
赤ちゃんは母親・父親などの代理署名が認められますが、原則としてパスポートの申請サインは小学生以上を対象に必須です。申請者が小学生以上だと、本人がサインをすることになります。
ですが、まだ漢字を覚えていない小学一年生にとって、自分の名前を漢字でフルネームで書くのは大変ですよね。
仮に私の名前が『雲類鷲躑躅(うるわし つつじ)』だったら、小学生どころか高校卒業しても正確に書けるかどうか怪しい〜
雲類鷲躑躅は極端な例ですが、難しい漢字を書けない小学生はひらがなでのサインがおすすめです。また、『せたがや太郎』のように漢字とひらがなを混在させる選挙立候補者のような書き方でも問題ありません。
パスポートの署名・サインに関するルールや注意点は?
そのほか、パスポートの申請や署名でよくある疑問や知っておくべきルールなど、以下でまとめました。署名内容が不適切だと申請書は受理されず、やり直しになってしまう可能性もあります。
署名・サインとして不適切な例
署名として認められない例では、不鮮明なサインであったり枠外にはみ出してしまうケースなどがあります。
- 署名が見切れている
- 背景に汚れや滲みがある
- 上からなぞったり下書きが残っている
- ボールペンのインクが薄く不鮮明である
- 申請者本人の本名でなく、通称名で書いている
極端な例ですが、枠外の署名は良くない例となります。
また、文字がぼやけていたりインクのかすみなどで見えない場合もNGです。
ローマ字の綴りミスにもご注意
ローマ字の綴りミスもよくある間違いです、例えば『Setagaya Taro』と書きたかったのに『Setgaya taro』と『a』が抜けてしまった場合などは正確でない名前なので、申請が通らない可能性が高いですね。
なお、所持人自署の欄は書き損じがあると訂正印などを使った訂正が認められないため、別の申請書で一から書き直す必要があります。
パスポートの署名・サインは5年用と10年用で基本的に同じ
新規でパスポートを申請する場合には有効期限が5年と10年の2種類から選択しますが、基本的には10年の赤いパスポートがいいでしょう。その理由については、10年のパスポートがおすすめな理由・比較ページで説明しています。
2種類あるパスポートですが、基本的にはどちらでも署名・サインのやり方やルールは同じです。ただ、申請書は10年用と5年用でそれぞれ異なります。
まとめ|海外旅行で使うパスポートは署名以外でも重要なことがあります!
パスポートの署名における書き方やルールについて解説しましたが、それ以外でも知っておくべきことがあります。
大事なポイントでパスポートを海外で紛失した場合や、更新を忘れてしまい期限切れになってしまった際の手続きも確認しておくといいですね。また、パスポートの住所変更では申請不要な理由など、別記事で解説しています。
その他にもパスポートに関する記事を掲載しております。日本の国内線でパスポートが必要かどうか?について気になる方も多いので、ぜひ別のコラムもお読みください!